観戦日誌「花輪-秋田中央」

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こんばんは!本日は、こまちスタジアムにて行われました春季高校野球秋田県大会準々決勝「花輪-秋田中央」こちらにお邪魔致しました。試合の模様は、https://www.aab-tv.co.jp/hsb/spring/archive/

こちらからも見逃し配信を決勝終了後1週間までお楽しみ頂けます!!AABさん、いつも本当にありがとうございます🙇‍♀️大変重宝されている方は、僕以外にもいらっしゃると思います。

 

こちらでは、映像とは違った角度からの写真をお届けします。最後に、3回戦終了後にそれぞれ見どころと申し上げたことと照らし合わせ、簡単に振り返って締めとさせて頂きます。それでは、いつも通り試合前の様子、お天気の確認から参りましょう。

 

 

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シートノックの時点で、「今日は高く上がったフライは要注意かな?」という雲の色で、僕も打球を追いながらボールと雲が重なり、何球か完全に見失ってしまいました。試合開始直後(10時7分)にアプリで計測したところ、気温18.1℃、湿度89%、南南東1.3m/sの風でした。

湿度の高さ、昨日からの寒暖差と、選手のみなさんにとっては慎重なコンディション管理が問われる一日となったかもしれません。
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両チーム試合前の様子です。
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スターティングラインナップはこちら!先発投手は、花輪は2試合続けてエース阿部留羽空くん、秋田中央は3戦連続で鳥井くんとなりました。
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整列です!今日は、ギリギリ間に合い、審判員の皆様も交えての整列前も両校撮らせて頂きました。

 


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ブルペンで準備を進める秋田中央・田中くん。今日も早めの継投が予想されました。ブルペンで準備を開始するタイミングも、当然ですがチームによって違いがあり、見比べるのも興味深い部分です。
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秋田中央先発・鳥井くんは、先日の八橋球場での1戦は制球に苦しみましたが、今日は安定感抜群(3回無失点)でした!

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花輪・1番ショートでスタメン出場の高橋アレンくん。打席ではツーベース、守備では無難にゴロを捌いたプレーと数字に出る部分のみならず、ジェスチャーを交えて外野手とポジショニングや位置関係を事細かに確認していました。花輪はこうした間合いでの確認作業に余念がないところが素晴らしいと思うのですが、その中心が彼だと思っています。


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同じく余念が無いと言うと、タイムリーツーベースを放った後、3塁に進んだ後のエース阿部くん。毎球偽走を行い「走るぞ」という気配を醸し出し、少しでもバッテリーにプレッシャーを与えようという工夫が見えました。このように「攻撃参加」する姿勢をエースが率先して行うのは、チーム全体に繋がりを生む所もあるのではないでしょうか。


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該当の打席とは違うタイミングですが、秋田中央・9番サードでスタメンの萩原くん。打っては先制の2点タイムリスリーベースと大きな存在感を示し、守備も球際の強さと丁寧なアプローチが光りました!
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終始小雨が降り頻ったこの試合。グラウンド整備中の様子です。花輪は6回表の守備に着く前の整備中、グラブではなくバットを持って入念にスイングを確認しており、シンプルに興味深いと感じました!

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花輪の捕手・畠山くんが阿部くんのもとに歩み寄るシーン。
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花輪は山本くん(背番号10)も準備を着々と進めます。
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7回から登板の秋田中央エース・澤橋くん。「ラスボス」の風格を纏っているように見えたのは僕だけでしょうか。
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花輪、内野で輪を作らずバッテリーのみに伝令の選手が向かうシーン。伝令と内野の輪はセットで考えがちなので、こちらも興味深かったです!
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花輪が3回以降再三のピンチを凌ぎ、秋田中央が2-1と1点リードで最終回へ。

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1死から3番村方くんが四球で出塁。2アウトから村方くんが盗塁、送球が逸れる間に3塁へ進み、2死3塁。カウント2-2、あと1球で試合終了となる場面で5番畠山くんが起死回生のライトオーバー同点タイムリスリーベース!花輪が崖っぷちから試合を振り出しに戻します。

一方、何とかサヨナラを防いだ秋田中央。複数回伝令を送り、「本塁さえ踏ませなければタイブレークがある、終わりではない」という意思疎通を感じましたし、この勢いのまま押し切られなかったのは澤橋くん、チームとして自信になると思います。痺れる攻防でした!

 

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かくして、無死1.2塁、継続打順から始まるタイブレークに突入します。記念すべき、自分にとってこまちスタジアムで初となるタイブレーク観戦となりました。

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結果的に決勝点となったのは、澤橋くんのスクイズでした。勢いの抑え方、転がす場所ともに申し分ない素晴らしいバントでした。加えて、バントの構えに移るタイミング、サードランナー萩原くんのスタートを切るタイミングも絶妙だったと記憶しています。このような緻密なプレーを隅から隅まで味わうことが出来るのは、球場ならではの楽しみです。


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3-2、秋田中央リードで迎えた花輪の攻撃。バント失敗をダブルスチールでカバーし、打席の途中で攻撃の伝令を送るなど、小林監督も最後まで勝利に向けて執念のタクトを振るいました。

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2死2.3塁、一打サヨナラのピンチを凌ぎ、秋田中央がベスト4進出一番乗りを決めました。最後はマウンドもエース、打席もエースという巡り合わせ。誰ひとりとしてこうなるように予定調和で計算していないからこそ、余計に鳥肌が立ちました。
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[最後に]

こちらは、試合終了後の僕のツイートです。

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そのままの意味ですが、少しだけ付け加えます。もちろん、まだ両チーム夏に向けて詰められる部分(お互い:チャンスでの打撃、花輪:守備(捕球)、秋田中央:守備(声掛け、カバー&バックアップ)はあります。それ以上に、僕が再三申し上げている「夏に繋がる/残せるものを創り出す春」という視点で見たときに、非常に実りのある試合だったと思います。

この接戦の中で、秋田中央は3人の投手を繋ぎ、花輪も阿部くんひとりには決して頼らず、山本くんがタイブレークの痺れるマウンドを経験出来ました。日程面の兼ね合いから、ラクな起用法をしようと思えば幾らでも出来てしまう秋田県予選。しかし、「甲子園で勝ち抜くこと」を見据えたときには、ひとりの投手に頼り切りでは必ずどこかで歪みが生じ、頭打ちになる(そもそも、球数制限により物理的に不可能)。

そう考えると、両チームとも、夏に向けてひとりの投手に頼らないビジョンを明確に描いていると感じることが出来ました。投手起用のみならず、秋田中央はサヨナラのピンチでふんだんにタイムを使う慎重な試合運び、花輪は高橋アレンくんを中心とした間合いでの位置どりの確認と、投げた/打った以外の部分で随所に野球の面白さが感じられる試合でした。この試合が来年以降の「春季大会」のロールモデルとして浸透してほしい。僕個人としてはそう思えるほど素晴らしい試合を見せて頂きましたし、球場で観られて本当に良かったと思います。両チームのみなさん、本当にありがとうございました!

 

少しと言いながら、だいぶ長くなりました。みなさんも最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!おやすみなさい!